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KX3 用 内蔵Li-ion電池


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Elecraft社 KX3 にFT-817用に開発したリチウムイオンバッテリーを装着し充電することについて、もう少し詳しく調べてみました。

 






KX3で充電を開始するための条件と充電を中断した場合の動作について

KX3内蔵Li-ionバッテリー充電グラフ

 このセクションの先頭で述べたように、充電を開始するには、バッテリー電圧が10.8V以下である必要があります。これはKX3のチャージャー(KXBC3)がニッケル水素電池(以下Ni-MH)の使用を想定しているために、Ni-MHの充電開始可能電圧に設定されているためと思われます。また、現ファームウェアでは充電時間の最大値は16時間までしか設定できません。これもNi-MHなら問題ないのですが、リチウムイオンバッテリー FLB-85.32(以下Li-ion)を 8.5V から充電した場合、16時間充電しても11.7Vまでしか充電できませんでした。
 ところで、充電途中にバッテリー電圧を確認するためには本体をオンするのですが、この時 10.8V を超えていると充電を再開できないのではないかという不安がありました。しかし、この心配は無用でした。一度充電が開始されるとタイマーで終了するか、メニューから充電を中止しない限り、充電を再開することができました。

内蔵リチウムイオンバッテリーを満充電にする方法

KX3内蔵Li-ionバッテリー充電グラフ

 ちなみにこのLi-ionの充電終止電圧(満充電)は12.6Vです。ここまで充電するのはバッテリーのため良くないとはいえ、11.7Vでは通常使用では良いとしても、野外運用時は12.4Vあたり充電すれば運用時間も伸びることになります。さて、KX3の充電電流が300mA程度のため、16時間かけても8.5VからではこのLi-ionを満充電にすることができないならば、10.8Vから充電すれば12.4Vまでいけるのではないかと考えました。ところが、ここでもう一つ問題がでてきました。それは、外部電源が13.8V だと、BT 11.7Vで ”LOW SUPPLY"が表示されこれ以上充電が進まなくなりました。これもNi-MHを想定しての設定と思われますが、バッテリー電圧(BT)と外部電源電圧(PS表示)の差が2.2V以上ないとこの警告が出るようです。そこで外部電源電圧を14.3V(PS表示)へ上げると充電は継続できました。そして16時間後には無事 BT 12.4V まで充電することができました。
 ここで注意する点は、KX3のPS表示14.3Vは、真の外部電源電圧ではありません。外部電源は14.6Vに設定しないと、PS表示では14.3Vになりませんでした。途中で電圧がドロップするためと思われます。
 左のグラフは充電時間の表示単位を "時間" にしただけで、上と同じです。
 ※KX3もFT-817も、タイマーによる充電時間の制限によりバッテリーの過充電を防ぐ充電方法がとられていますが、両者で異なる点は、FT-817が充電終了後もトリクル充電が続くのに対して、KX3は、完全に充電を終了する事です。このことはリチウムイオンバッテリーを内蔵充電させる場合、 13.8V外部電源を常時接続した場合、過充電を防止し、充電電流を確保できる点でKX3に有利に働きます。

BT 10.8Vからxx時間で何ボルトまで充電できるかを表にすると

KX3バッテリー側コネクタ 
【設定条件】 外部電源14.5V (KX3表示値)充電開始 10.8V  
 充電時間設定 終了時電池電圧
    4H  BT  NA
    8H  BT 11.6V
    12H  BT 12.0V
    16H  BT 12.4V

以上の結果から、BT 10.8V から満充電にするには12時間充電が必要と思われる。KX3が充電を終了する直前まで、約0.3A 流れていたことから、保護基板が動作して充電を打ち切るのではなく、KX3のタイマーで充電が終了したと判断しています。
 
 
 

リチウムイオンバッテリーを急速充電するには

KX3バッテリー側コネクタ  KX3やFT-817NDに内蔵したリチウムイオン電池を充電する場合の充電電流や充電制御は、トランシーバ側の充電回路に依存する陰り、これ以上短時間で充電することはできません。急速充電するためには、リチウムイオン電池電圧や電流、さらには温度を監視するする専用の充電制御回路が必要になります。KX3でこれを実現するためには、バッテリーと温度検出素子からの電線をKX3外部に引き出す必要があります。現時点で、KX3に回復不可能な変更を加えずしてこれを実現することは不可能ですので、内蔵リチウムイオンバッテリーを外部に取り出して充電器にセットすれば2時間程度の急速充電が可能になります。
 左の写真は、KX3から取り出した電池をリチウムイオン電池専用の充電器に接続するためのバッテリーケースです。
 
 
 
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【Tips】
KX3バッテリー側コネクタ


左は、KX3用リチウムイオン電池専用の充電器です。バッテリーケースに内蔵したサーミスタで、バッテリーの温度を監視しながら、急速充電を行います。電池の充電を開始しても良いか、温度は適切か、充電中の電流・電圧監視、充電終了の判断など、リチウムイオン電池を安全に急速充電するための機能を有しています。