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FT-817ND内蔵リチウムイオン電池の開発


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FT-817に装着したリチウムイオンバッテリーと外部電源の関係を調べてみました。

 






FT-817内蔵Li-Ionバッテリーと外部電源

内蔵リチウムイオン電池とFT-817の間に電流計と電圧計を挿入しました。

FT-817電源ONで,CHG設定すると
自作したFT-817用内蔵リチウムイオンバッテリーの充電特性測定(定電圧電源の設定)

外部電源からFT-817NDに13.0Vを与え電池電圧は11.4V,外部電源表示,50MHZFM受信音量零
①817CHG(OFF)設定で817Power(ON)  0.35A、817Power(OFF) 0.02A 
②817CHG(ON)設定で817Power(ON)  0.59A、817Power(OFF) 0.32A

確かに、FT-817電源ONでもCHG設定をONして外部供給電圧が13Vほどあればバッテリーを充電しています。  
Yaesu FT-817 バッテリー電圧電流測定用アダプタ 電池の充電電流と放電電流、電池電圧をバッテリーコネクタ部で測定できるように分岐コネクターを作り測定しました。

・FT-817設定:受信状態、CHG設定OFF、スケルチON、音量零、LED点灯

外部電源電圧 電池電圧 充電電流(充電方向を+表示)
13.5V   11.4V   9.68mA
12.0V   11.4V   2.16mA (ここまでCHGOFFでもトリクル充電状態)
11.8V   11.4V   52μA  (充電せず外部電源が817を作動) ※※
11.6V   11.4V   -23mA (外部電源から324mA,バッテリーから23mA供給)
11.3V   11.4V   -100mA (外部電源から247mA,バッテリーから100mA供給)
11.1V   11.4V   -175mA (外部電源から172mA,バッテリーから175mA供給)
10.3V   11.4V   -347mA (バッテリーから347mA供給)
9.8V   11.4V   -347mA (バッテリーから347mA供給)

※外部電源接続時はLEDは常時ONとなります
※※電池電圧11.4Vのとき外部電源電圧が11.8Vならば、トリクル充電しない

FT-817ND OFF CHG(OFF) 状態でバッテリーの消費電力は

電池電圧 11.46V
放電電流 0.255mA
消費電力 2.9mW

※ 設計当時としては普通だったのでしょう。
※ FT-817NDは、2008年に秋葉原で購入した品です。

次は、周波数やモードを変更して、バッテリー電流を測定しました

Yaesu FT-817 バッテリー電圧電流測定用アダプタを装着し測定中
Yaesu FT-817 バッテリー電圧電流を測定中 のマルチメータ
受信状態で測定、スケルチON、音量零、外部電源なし、
 LED消灯(点灯で28mAプラス)
 430MHz、144MHz(FM) 297mA 周波数差なし
 50MHz(FM,SSB) 300mA モードによる差なし
 28MHz以下 約320mA 

外部電源電圧を9.6Vから13.5Vの間で変化させた場合のバッテリー電流

・FT-817設定:受信状態、CHG設定OFF、スケルチON、音量零、LED点灯

外部電源電圧 電池電圧 充電電流(充電方向を+表示)
13.5V   11.4V   9.68mA
12.0V   11.4V   2.16mA (ここまでCHGOFFでもトリクル充電状態)
11.8V   11.4V   52μA  (充電せず外部電源が817を作動) ※※
11.6V   11.4V   -23mA (外部電源から324mA,バッテリーから23mA供給)
11.3V   11.4V   -100mA (外部電源から247mA,バッテリーから100mA供給)
11.1V   11.4V   -175mA (外部電源から172mA,バッテリーから175mA供給)
10.3V   11.4V   -347mA (バッテリーから347mA供給)
9.8V   11.4V   -347mA (バッテリーから347mA供給)

※外部電源接続時はLEDは常時ONとなります
※※電池電圧11.4Vのとき外部電源電圧が11.8Vならば、トリクル充電していない
 
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【Tips】

CC-CV充電

 充電初期は、一定の(大)電流を流し急速充電を行います。規定電圧に達したのちは一定電圧で充電しますので、充電が進むと電流は減少していきます。電流が一定値以下になった時に充電を打ち切ります。この間、バッテリーの温度を監視し、温度が一定値以上に上昇した場合は充電を打ち切ります。また、リチウムイオン電池の場合、充電開始時にバッテリー電圧が一定値以下であった場合は、CC充電はせず、微小電流で規定値になるまで充電します。一定時間経過後も規定充電開始電圧に達しなかった場合は、充電を打ち切り、バッテリー不良と判断します。