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IC-9700のスピーカに無停電電源を組み込む


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 IC-9700の外付スピーカにリチウムイオン電池を使用した無停電電源装置を組み込むプロジェクトです(2019/12/28追加)

 






IC-9700無停電電源装置(UPS)のバッテリー構成について

 無線機用のバッテリーシステムを設計するうえで悩むのは、3.6VのLi-ion電池を何本直列にして使用するかです。標準電圧では3本直列接続では 3.6x3=10.8V 4本では 3.6x4=14.4V ですが、充電完了後は1本が 4.2V となりますので、それぞれ 12.6V と 16.8V です。ほとんどの無線機の電源許容電圧は 13.8 ± 15% つまり下限は 11.7V 上限は 15.8V です。という事は、3本直列では電圧が13.8Vに届かず、4本直列の場合は、上限電圧を超えてしまいます。ここでは、この問題を取り上げます。(7直列で降圧DC-DCコンバータという手もありますが、、、充電器の委託生産費用の他にPSEを取得するだけでも100万円ほど必要なのでやめます)

FT-817用電源バッテリー IC-9700用無停電電源装置バッテリー


Li-ion 4本直列で使用する場合のデザイン

NA

 Li-ion電池4本直列で使用した場合、充電完了時に無線機の許容電源電圧 15.8V をオーバーしてしまいますので、なんとか15.8V以下にしなければなりません。考えられるのはシリーズレギュレータで 15.8V以下にすることです。この場合、無線機が15A 必要とする場合、1X15=15W を熱として捨てることになってしまいます。バッテリー電圧が低下してくればこの回路は不要になり切り離すことになりますが、スイッチ素子のオン抵抗は残ります。

Li-ion 3本直列で使用する場合のデザイン

FT-817電圧RF出力特性

 Li-ion電池3本直列で使用した場合、充電完了時の電圧は最大でも12.6Vですから先ほどのような問題はありません。しかし、13.8Vにはとどかないので、写真のFT-817やFT857の特性のようにバッテリー使用を前提にした無線機以外では、既定のフルパワー送信ができません。そこで、DC-DCコンバータによりバッテリー電圧を昇圧し13.8Vを得ることになります。気になるのはDCコンが発生するノイズです。

3直と4直の場合のメリットとデメリット

フィルタなしDCコン出力  4本直列の場合のメリットは、DCコンのノイズがないことです。デメリットは、電圧を低下させているときのエネルギーロスと、バッテリー電圧の低下により無線機の最大出力が得られなくなることです。11Vでは機種によって最大RF出力の1/2になってしまいます。3本直列の場合のメリットは、DC-DCコンバータによりバッテリーの全電圧領域において13.8V一定の電圧が得られることで、デメリットはDCコンのノイズ(フィルタなしの場合の写真)です。しかし、これはノイズフィルタを装備することで低減可能です。結論として、4直では、高電圧部分のエネルギーロスと、使用中のバッテリー電圧の低下により、無線機の動作保証電圧下限(13.8Vマイナス15%)の11.7Vから放電終止電圧の9.2Vまでの間の電圧領域は、エネルギーが残っているにもかかわらず無線機で使用する事ができないことから、私は3本直列DCコン方式を採用しました。
【Tips】

 Li-ionバッテリ4直列では、必要とするDC13.8Vを得るためにバッテリーエネルギーを有効に利用できません。高効率のDCコンと高性能なノイズフィルタを採用したLi-ion電池3直列・DC-DCコンバータ方式を採用することにしました。