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KX3 用 内蔵Li-ion電池


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Elecraft社 KX3 は最新のSDR技術を駆使し、低消費電力で最大RF出力15Wという魅力的なトランシーバです。KX3の内蔵バッテリーをリチウムイオン電池にする試みです。

 






KX3 用 内蔵リチウムイオン電池に求められる仕様

KX3は日本のFT-817NDとよく比較される米国 Elecraft社 のポータブルトランシーバです。

 KX3 は、単三電池ホルダーは標準装備されていますが、そこにニッケル水素(以下Ni-MH)電池を装着しても、充電にはオプションの KXBC3 バッテリーチャージャ(基板)が必要です。Ni-MH電池8本でFT-817NDのFNB-85同様9.6V仕様となります。当然、充電直後、一時的に10WRF出力が出せても、10W長時間運用は望むべくもありません。さらにKX3は下の写真の通り、頻繁に開け閉めできるような構造ではありません。そこで、KX3の内蔵バッテリーケースを取り除いてリチウムイオン電池パックを挿入し、10Wハイパワー連続運用を実現しようというのが本プロジェクトです。まず最初に、リチウムイオン電池でKX3が充電も含めて運用可能であることを確かめます。

Li-ion Battery for Elecraft KX3

 

KX3からみたFT-817NDの電圧・電流特性

KX3(2016年06月購入)MCU 2.38 / DSP 1.37, 1-3-2015 で評価しています

上の写真のように、バッテリー収納部の物理的サイズはFT-817と違って比較的確保されているように見えますが、電解コンデンサが道路にはみ出した電柱のようにY軸方向のスペースを圧迫しており、Z軸方向はFT-817同様ほとんど余裕がありません。しかし、FT-817用に開発した3200mAhのリチウムイオン電池ならばここに収めることが可能と思われます。また、運用状態では8Vから12V超えまで送受信動作において問題は生じませんでした。ところが、

(1)受信時 bat 11.2V で外部電源13.8V を接続し充電しようとすると
(2)bAt Err (バッテリーエラー)を表示して充電は開始されません。
(3)これはKX3 が、充電可能電圧 within a reasonable range (6.4V to 11.2V)を読み
(4)充電を停止しているためです。

bat 11.2V で外部電源13.8Vを接続し充電すると

 
KX3 LCD Bat Err
  
充電を開始する時に、Ni-MH電池の充電開始可能電圧をチェックしているだけならば、充電開始の時のみこの電圧範囲に入っていれば、あとは設定した充電時間が終了するまで充電が継続されるのではないかと推定し、KX3もしくはLi-ion電池の保護回路が放電を停止するまでKX3を動かして放電させました。

Li-ion電池を16時間充電する

Charge Li-ion Bat in the KX3  
<結論>23℃の室内で、LOW BAT 8.8V から 12.1Vまで充電できた。
(1) 16H をセットしてLi-ion電池の充電を開始した。
(2) 外部電源電圧13.5V
(3)充電途中に 10.7V まで充電されていることを確認した。(CHG OFFにしてはいけない)
(4)この後は16H 終わるまで充電を継続する事にする(中断してBAT ERRORにさせないため)
(5) 時折 LOW POWERSUPPLY が出るようになった。
(6)外部電源電圧を14.3Vにすると表示は消えた。(マニュアルでは充電は13.8V以上15V以下)
(7)充電終了 KX3は電源OFFになった。
(8)この後に電源ONするとKX3表示バッテリー電圧は 11.7V 充電成功!(※)
(9)電池端で12.6Vが充電限界なので、保護基板やケーブルでの電圧降下を考慮しても満充電とは言えない。
(10)10.6Vから12h充電をした結果は、BT 12.4V となり、満充電させることができた。 ※結果2016/9/20
Full Charge Li-ion Bat in the KX3 
 
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【Tips】

 今回、KX3を購入するにあたり、US Elecraft から直接購入するか、日本国内の代理店 エレクトロデザイン社より購入するかを検討しました。私は米国や台湾から直接輸入もしくは輸出することもあるのですが、状況により非常に面倒な事態が発生したことがあります。代理店の価値と支払対価を比較して国内でサポートが期待できるエレクトロデザイン社から購入することに決めました。WebではUSからの直接購入のメリットの声が聞こえてきますが、確かに購入時の価格だけなら個人輸入のほうが安いのですが、故障や問題が生じた時の手間と出費、さらにはオークションで売ったとき得られる金額の差(国内サポート付きのほうが高額で売れるようです)を考慮しました。