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実践的18650リチウムイオン電池の使用法

 
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18650直列接続電池パックについて

 ここでは18650リチウムイオン電池の直列接続について扱います。
直列接続では、並列接続と異なり、セルバランスが重要になります。
最初にセルバランスが崩れているとどうなるかから始め、電池セレクトする方法まで扱います。






18650リチウムイオン電池の直列接続と電池の選別方法

 FT-817は、9Vから15V(上限16V)で動作させますので、リチウムイオン電池を3本(3.7V×3=11.1V)から4本(3.7V×4=14.8V)直列に接続して電池パックを作る必要があります。
電池容量違いの電池直列と負荷接続例

  リチウムイオン電池に限らず、電池を直列接続するためには、電池の特性が揃っていることが絶対条件です。極端な例で考えてみてください。左の写真のように、異なる容量の電池を直列接続すると、初めのうちは、期待した電圧を出力しますが、容量の少ないほうの電池がパワーを使い果たし抵抗と化した結果、電圧は半分以下に低下します。小さいほうの電池は(+)(-)逆接続で電流がながれ、即劣化します。


  左は、メーカーの4S3P電池パックを分解したときのメモです。
 実際のバッテリーパックでは、並列接続された電池が、何組か直列に接続されて大きな電池パックを構成します。
 リチウムイオン電池を複数直列接続して使用する場合、全ての電池において、電圧の差は20mV以内である必要があります。購入時の電圧、もしくは充電終了後2時間以上放置したあとの電圧を1mVまで測定できるデジタルマルチメータで無負荷の状態で測定して確認します。電圧の差が20mV以内(できれば10mV以内)である電池をセレクトします。必要数(7S3Pであれば21本)プラス数本購入して、合格した電池だけでバッテリーパックをくみ上げます。

 購入時にこの基準をクリアできないようであれば、私はそのメーカの電池は直列接続では使い物にならないと判断しています。電池特性は温度や振動などで変化しますので、最初から差が大きな品は、使用中さらに差が広がると思われるからです。ここで取り上げてるメーカの電池は、購入時点で全数この基準をクリアしています。

 このページは書きかけです。

  実は、この選別過程は、ノウハウのかたまりで、組電池メーカーがこれを明らかにすることはまずありません。100本程度の電池から、時間をかけて計測して選別するならば比較的簡単(それでもインピーダンスメータや専用プローブからなる100万円近い設備が必要です)なのでアマチュアにとっては荷が重すぎますし、そんなに時間をかけては組電池商売になりません。組電池メーカーは短時間、それも一瞬のうちに測定選別する必要があるのです。


 


 
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【Tips】

 外国製の電池を購入する際には、4000mAhなどと表記されている容量にも注意が必要です。私も以前、疑問に思って計測したことがありますが、隣国の親しい友人から聞いた話で納得しました。某国の電池は電池容量に大きな数字を書いたほうが売れるので(普通に、それも、かなり)水増しして表記しているそうです。日本製の電池ではありえない事ですが。あ、当の某国人に聞くとその数字は容量ではなく型名だとも言っていたそうです。