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FT-817ND内蔵リチウムイオン電池の開発


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【バッテリーの選定】入手可能な品で、電圧と容量、FT-817に収納できるかが焦点になります。(2013年11月)

 






これからの製作で採用するバッテリーユニットの構成と仕様

検討しなければならない点は (1)組み上げたバッテリーパックがFT-817に収まるか と (2)FT-817のバッテリーパックとして電気的に満足できるか (3)充電はどのように行うか の3つだと考えました。

(1)FT-817のバッテリー収納スペースからの制約
FT-817 内蔵リチウムイオン電池の実装

 FT-817NDに装着してあるほうが、日立マクセル製アルミ外装リチウムイオン電池 です 右側に置いてあるのは、ソニー製ラミネート外装リチウムイオン電池です。 右のソニー製のほうが、若干小型です。

電気容量的にも満足できる選択肢はSONY製と日立マクセル製のみでした。SONY製は小型ですが、容量と組立易さから、日立マクセルを選択しました。日立マクセル ICP53455ZSU最大の問題は、3枚重ねた時の厚みが15mmを超えることです。これは、FT-817NDのバッテリー収納スペースに収めることが出来る限界値です。バッテリーパックは絶縁が必要ですから、絶縁フィルムは出来るだけ丈夫で薄いものを利用して厚みの増加を抑えることとの戦いになりました。
Yaesu FNB-85 と 試作した FT-817用リチウムイオンバッテリーパック

左はYaesu純正FNC-85 1400mAh
実測値:100×57×15.1mm  204g

右が制作したLi-Ion電池3240mAh
実測値:92.5×54×16.2mm 184g

この時の試作機は、まだ厚い!

【使用したリチウムイオン電池と保護基板の仕様概要】 バッテリー型番:ICP534553ZSU 日立マクセル社製 公称容量:1620mAh 保証容量:1550mAh 平均電圧: 3.7V サイクル寿命:300回以上 重量:30g サイズ:44.8mm x 55.2mmx5.1mm (誤差±0.2mm) ユニット構成 3S2P(3直列2並列) 11.1V 3240mAh 保護基板(PCB-Li3A4)の最大連続放電電流 4.0A、過電流保護15A (詳細後述)

(2)FT-817の電気的仕様からの制約

【放電に関する考察】
(1)放電終了電圧に関してはバッテリーの限界値が2.2V、よって3セルで6.6Vである。 絶対に6.6V以下にしてはならないということになる。これに対して

(2)保護基板(PCB-Li3A4)の過放電停止が2.4V±0.08V、3セルで7.2Vである。 従って、バッテリーパックに内蔵させる保護基板により電池が過放電から保護される。

(3)FT-817NDがバッテリー保護のため放電停止する電圧は、7.4V(FT-817ND表示) この値は、セルあたり2.46Vとなりバッテリーの放電下限電圧を満足する。 ※7.4Vという値はモデル差あるいは機体差があるようです(2014.12.2追記) 最初にFT-817NDがバッテリーの使用を停止し、これが働かない場合でも、保護基板が 7.2Vで放電を停止する2重の保護が機能するので放電に関しては問題ないと考える。

【充電に関する考察】
電池電圧 充電終了に関しては、バッテリーの限界値は、4.28V±0.03V 3セルで12.84V +0.03Vも考慮すると、4.3V 3セルで12.9V が限界値となる。 充電推奨電圧は4.2V/セル 3セルで12.6Vが推奨されています。
保護基板 保護基板(PCB-Li3A4)の過充電停止電圧が4.35V±0.025V 3セルで13.05Vなの で危険回避する最後の砦としては機能するが充電時のバッテリー保護としては頼れない。
FT-817 充電電流に関しては、FT-817ND内部の充電制御回路で約250mAに制限されるので 急速充電は望めないが、安全性と電池の寿命という点では評価できる。
FT-817NDは、充電終止電圧に関しては、制御されないか、高めのようだ。 特別の充電回路をバッテリーパックに付加することにより、急速充電を可能にすることもできるが、FT-817NDに何らかの加工が必要となるため、今回この方法は採用しない。

(3)充電器に関する制約(設計方針)

(1)FT-817NDの外部電源端子から内蔵充電回路を通じて充電を行い、外部電源電圧を 調整するにより、充電終止電圧を設定することにする。
 FT-817NDの充電タイマーは、さらに電池の充電を安全なものにしてくれるがFT-817のCHG設定に関わらず、外部電源電圧が13Vの時約10mAのトリクル充電電流が流れる点に注意する必要がある。
2)急速充電器は別途用意する。電池本体を外した状態で、電池メーカーの指示通り温度監視を行いながらリチウムイオン電池が求める充電シーケンスを完全に実行する。

【内蔵バッテリーをFT-817の外部電源端子から充電するための電源の選択】

(1)NC-72A(旧FT-817ND付属充電用ACアダプター)を利用する場合

 電圧12Vと記載があるが、実際にはトランス使用で無負荷時に13.5V出ている。
このため、無制限に充電を続けると、FT-817ND内蔵の充電制御回路での電圧降下を
考慮しても、バッテリー限界の12.84Vを超える恐れがある。
実際に充電を続けたところ、トリクル充電で48時間後、電圧13.0Vとなった。
※トリクル充電を避けるため、充電終了後は、NC-72Aを取り外す必要がある。
NC-72A利用時は、FT-817NDの充電時間を12時間、もしくは8時間x2回で設定し、かつ、充電終了後はトリクル充電を避けるため、FT-817からACアダプターを取り外す必要があるが、今回制作するバッテリーを満充電することが可能である。

(2)PA-48A(新FT-817ND付属充電用ACアダプタ)を利用する場合

 2013年9月に購入したFT-817NDに付属していたACアダプタは、小型のスイッチングタイプに変わっており、銘板にはOUTPUT DC12.0V0.5Aとあるが実測値は11.8Vである。実際、バッテリー電圧が11.7Vになっている状態で、受信時にアダプターを接続すると、FT-817NDは11.8Vと表示した。Li-ion単セル換算で、3.87Vとなり満充電に対してかなりの余裕ある充電状態である。(新FT-817NDで、このACアダプターを選択した理由は、軽量化とともに、過充電避ける意味があったのではないか。)

 実際にPA-48Aを11.4Vと表示しているFT-817NDに接続し12時間充電を続けた結果、
11.8V表示となった。また充電状態を保持してもこれ以上電圧が上昇することはなかった。
 PA-48Aを充電器として使用する場合、本バッテリーを満充電することはできず、運用可能時間もエネループPRO程度になり、リチウムイオン電池を使用する運用時間的メリットは
半減するがバッテリーの寿命は長くなる。
長時間バッテリー運用時は別途追加充電が必要。

(3)外部電源13.5V~16V(FT-817NDの電圧限界値)を利用する場合

 電池電圧表示11.8Vからスタートして10時間充電すると、FT-817NDの表示で
バッテリー電圧は最大13.0Vまで上昇していた。 このときの外部電源電圧は、16Vだったので、保護基板が充電をCUTしたと推定。これはバッテリーの上限値12.84Vを超えている。よって、充電器の出力電圧を下げる必要がある。
 最適値は12.6Vであるので、外部電源を使用する場合は、電圧を12.8V以下に設定すべきである。また充電時間は、NC-72A利用時と同様放電完了状態から電圧を監視しながら12時間、もしくは6時間x2回で設定するのが良いと思われる。

 
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